屋上庭園

ハンドメイドと日々のこと

ミント飴の午後

  • この午後を十個のミントの飴にして ほんとにさみしい日にだけなめる(笹谷潤子)

 

 

 

ほんとにさみしい時になめるミントの飴の色は何色だろ。

 

薄緑、薄青、すりガラスみたいな白、透明…

 

 

 

とか考えながらミント飴を舐める日々。

 

(花粉症なので)

 

 

この短歌は何年か前にTwitterで知って、とても好きだなぁと思って毎年手帳に書いては眺めています。

 

 

 

朝じゃなくて午後なのがいい。

ほんとにさみしい時になめる飴はミルクでは甘すぎるしソーダでは爽やかすぎる。

すうすうして少し辛くて甘くてスッと消えるミントがちょうどいい。

 

何もかもがちょうどいい短歌だなと思うのです。

 

 

意味としては「凝縮して飴にして大切に取っておきたいほど幸せな午後」ってことかなと。

 

 

ずっと大好きで何回も見返しているワンダフルライフという映画があるんですが、見る度に人生で一番の瞬間について考えさせられる。

どれがいいか選べない位、幸せな瞬間を積み重ねたいと思う。

この句も同じだなと思うのです。

 

 

いつか幸せな午後を凝縮したミント飴みたいな刺繍をしたいな。と考えています。

 

 

ところでこの句は「海ひめ山ひめ」という本に収められているようなので手に入れたいと探したのですが、絶版みたい。

国立国会図書館に行けば読めるらしい…

笹谷潤子さんについても近況を調べられなくて、幻かなとさえ思ってしまいます。